1960年代。
有人地球周回軌道の飛行をアメリカとロシア(当時はソ連)を競い合って居た頃の実話です。
とってもチャーミングな3人の優秀な黒人系女性が、NASAの功績を影で支えた爽快な物語です。
音楽もファッションもカラッと明るくとってもハートフル。
ハッピーになれる映画です。
もくじ・読みたいところからどうぞ!
「ドリーム」Hidden Figures
2017年9月29日公開(2016年FOXFilm)
127分
監督:セオドア・メルフィ
脚本:アリソン・シュローダー、セオドア・メルフィ
原作:マーゴット・リー・シェタリー
キャスト: タラジ・P・ヘンソン、オクタヴィア・スペンサー、ジャネール・モネイ、ケビン・コスナー、キルスティン・ダンスト、ジム・パーソンズ
2017年1月アメリカで拡大公開され全米興行収入チャート1位を獲得。
その後、11週連続で、トップテンに輝いたロングランヒット作品。
アカデミー賞の「作品賞」「脚色賞」「助演女優賞」の3部門にノミネートされた。
1960年代初頭のアメリカ。
マーキュリー計画において、試行錯誤を繰り返した様子。
白人と黒人の住み分けがどれほどのものだったのか?
大陸での人種差別の問題には、画面の中から感じるだけだ。
歴史としては知っている。
幾度となく映画やドラマで語られてきた。
同じく、宇宙に月に有人飛行をするという夢に向かって力を注いてきたということも。
NASAのラングレー研究所で働く3人の黒人系女性の活躍に、清々しい気持ちになる。
3人は実名で実話だ、実際には年代が少しずれている。
キャサリン
幼いときから数学の才能を発揮。
ウエスト・バージニア州出身。
10歳で高校、18歳で数学とフランス語の学位を取得。
ウエストバージニア大学の大学院に進んだ初めての黒人女性。
教師をしていたが、1953年NASAラングレー研究所に雇用される。
冒頭、可愛らしい数学に才能があること少女キャサリンが、周囲の援助で勉強の機会が与えられ様子は、嬉しい。
幼少期の様子が少し見られてどんな大人になるんだろうか?ってワクワクした。
シングルで子供が可愛い3人。
中佐と再婚して、50年以上添い遂げる。
2015年オバマ大統領から大統領自由勲章をもらう。
卓越した計算能力は、機械よりも正確だとジョン・グレイから絶大なる信頼を寄せられた。
仕事をきちんとする人は、私生活も充実するのだろうか。
黒人用のトイレに、猛然とダッシュしていく様子が可愛い。
本人は必死だし、そんなに遠くにまでいかなくちゃいけないということを白人は、気にも留めない。
心ある上司が、ハンマーでトイレの看板を壊すのはスカッとした。
そうして、少しづつ権利を獲得していったんですね。
すべての差別が撤廃されたわけでは、ないのだろうけど。
能力が優れていると言う事実が、爽快だ。
キャサリンが、どんどんキレイになっていく。
アクセサリーをしていなくても美しいと思う。
忙しい中でも、再婚も出来るスーパーレディだ。
ドロシー
ミズーリ州出身。
NASAにおける黒人女性の初のスーパーバイザー。
15歳で奨学金をもらい大学に進学。
学業にも音楽にも精通した天才。
数学教師を歴て、ラングレー研究所に勤務。
すぐに、西計算グループの責任者になる。
先見の明があり、いち早く人間コンピューターから電子コンピューターの転換を取り入れた。
IBMのプログラムを研究、プログラム言語に精通。
計算グループの昇進、昇格などの交渉を請け負う。
頼もしい、頼れる上司。
6人の子供に恵まれた。
働きながら、子育てもして、本当にパワフルだ。
映画では、車のエンストも直してしまう頼りになる姉御だった。
面倒見の良さが魅力。
2008年死去。
映画になっていることを知らないんですね。
メアリー
バージニア州出身。
アメリカ初の黒人エンジニア。
教師として働いたのち、ラングレー研究所に勤務。
正式にエンジニアとして採用されるために必要な白人専用の大学過程を取得するために、白人の高校入学への許可を粘り強く、願い出た。
人種差別のある高校に夜間で入学を果たす。
2005年死去。
2人の子供を持つ。
はじめは、仕事に理解のなり夫も高校の入学には喜び、筆記具のプレゼントをしていた。
きっと、家族全員働くのが、普通なんだろう。
全員で働いて生活していくんだ。
きっと、NASAは理解のある職場に違いない。
原作には、映画の年代以降の彼女たちの様子も記載されているらしい。
読んでみたい。
鑑賞後気分爽快
面白かった。
宇宙に行ってみたいと言う、夢物語を現実のものにするために多くの予算を使い、多くの頭脳を使い実現してきた。
でも、機械を動かすのは人間だ。
高度で最速のPCだけど、人間の方が勝っている。
今後はわからないけど。
この50年でめざましく世界は変化した。
「初めて」、「前例」になった人たちの物語は面白い。
3人の素晴らしい女性を、称える映画を作るアメリカを称えよう。