映画「ラストレシピ」【感想】2回観たくなる映画です | 素敵なmono

映画「ラストレシピ」【感想】2回観たくなる映画です

キッチンの食材

こんにちは、monoです。

2017年11月3日公開予定の映画「ラストレシピ〜麒麟の舌の記憶」に主演するのは、二宮和也さんです。

1930年代の満州と2000年代初頭の二つの時代の絶対味覚を持つ二人の料理人のお話です。

麒麟の舌を持つ料理人=現在の2000年初頭を二宮さん
1930年代を西島秀俊さんが演じます。

原作は「料理の鉄人」を手がけた作家、田中経一さん。

滝田洋二郎監督が、描く料理ミステリーです。

先日行われた完成披露試写会で二宮さんは、料理人として評価されたいという話をしていました。

「一つ星が欲しい」そうです。

それくらい、料理を頑張ったんですね!

西島さん、二宮さんの料理する姿が、早くみたいです。

観てきました。

思った以上に美しい料理人が実在していました!

ラストレシピ

データ

2017年11月3日公開予定
監督;滝田洋二郎
原作:田中経一
脚本:林民夫
音楽:菅野祐悟

企画:秋元康

あらすじ

二宮和也演じる佐々木充は、絶対味覚を持つ料理人。
麒麟の舌を持つと言われ、一度食べた料理を完全再現出来る天才料理人として最後の晩餐を高額で請け負っていた。

幼くして、両親をなくし感情を持たないで仕事に打ち込んできた佐々木。

お金のためにはなんでもする言う孤高の天才料理人。

その佐々木充の元に、奇妙な依頼が70年の時を隔ててやってくる。

1930年代の日中戦争前の満州。
当時、天皇の料理番をしていたという伝説の料理人山形直太朗が考案したという、伝説のレシピ。

「大日本帝国食菜全席」を再現してほしいというのだ。

伝説の料理人山形も、麒麟の舌を持つと言われていたらしい。
山形が考案したと言う「大日本帝国食菜全席」今で言うフルコース。

物語は、山形直太朗がレシピを紆余曲折の中で作り上げる様と70年後に山形の足跡をたどる佐々木の謎解き料理物語だ。

伝説のレシピと山形はどういう人生を歩んだのか?

孤高の天才料理人佐々木が、レシピを追い。

レシピの再現に取り組む中で、山形のレシピに込めた思いや謎。
最後の一皿に込められた真実を見つけ出すことが出来るのか?

山形の思いにたどり着けるのか?

佐々木の生き方にも影響を与えていくのだろうか?

西島さんの大人な魅力たっぷりの料理人に早く会いたいです。

孤高の天才料理人をニノさんがどんな嫌味に演じているのかも気になります!

キャスト紹介

厨房とシェフ1
1930年代
山形直太朗・・・西島秀俊(天皇の元料理番、満州で「大日本帝国食菜全席」作成をうけおっていた)
山形千鶴・・・宮崎あおい(山形の妻)

鎌田正太郎・・・西畑大吾(山形の助手)

三宅太臓・・・竹野内豊(大日本帝国陸軍大佐)

楊晴明・・・笈田ヨシ(中国料理界の重鎮)
・・・・・・・・・兼松若人

2000年代

佐々木充・・・二宮和也(最後の料理人の異名を持つ天才料理人・すずらん園出身)
柳沢健・・・綾野剛(佐々木の理解者、すずらん園出身)

すずらん園園長・・・大地康生

ラストレシピ見どころ・まとめ

フライパン

西島さんとニノの料理人の姿を堪能出来ます。

長回しで料理のシーンを撮影したいという要望に答えるために特訓をしたようです。

役者さんは、演技に説得力を持たせるための努力を相当積んでいると思います。

左利きの二宮さんはさらに大変な特訓だったのではないでしょうか。

手さばきとか、すごく楽しみですね。

二宮さんは日本料理人の役は、2007年の「拝啓、父上様」で経験済みです。

あの時も、日本料理は料理人が流れるように作っていくので、厨房では誰もが右利きで作業するので大変だったと言っていましたよね。

今回は、さらにカリスマ性を持った役のようですから、堂々とした手さばきとか、重ねた年齢とか期待も膨らみます。

そして、料理ミステリーってどんな展開が待っているのか?期待しちゃっています。

撮影に使われたのは、日本橋の料亭辰巳さんらしいです。

今は、ツイッターとかですぐに情報が共有されるので大変ですね。

何でもすぐにつぶやくのも、良し悪しです。

西島さん側の物語が、主軸になるような気もしています。

現在と1930年代の日本の取り巻く状況が、分からないです。

70年前。

戦争前。

二宮さんに料理の再現を依頼してくる楊さんは、1930年代にも登場するんですよね。
物語のカギを握っていそうです。

西島さんの色気のある演技と、二宮さんの巧みな演技との相乗効果に期待はふくらみます。

綾野剛さんと宮崎あおいさん。

豪華なキャストが織りなす、極上のミステリー。

早く映画館で堪能したいです!

感想追記


淡々と話が進みます。

佐々木充の非道さを丁寧にみせる。

山形直太朗もまた、そんな感じの料理人だ。

ふたりの天才と呼ばれる料理人。

ふたりの姿形だけでなく、料理に対する姿勢とか考え方が似ていると思い始める。

観終わって、納得した。

そうだったのかと。

しっとりとじんわりと心を打つ。

悲しみと優しさが交差する、そんな映画だ。

物語の節目に現れる「すずらん園」がキーになる。

佐々木充の育った施設「すずらん園」の園長先生のお葬式の場面がはじめに登場する。

柳沢の前を遮る黒い影。

一方、絶対味覚を武器に素晴らしい料理を鮮やかに作る充の姿の映像に切り替わる。

充は、恩師の葬式よりも優先するものがある。

高額で最後の晩餐を料理することだけに生きているような、目に光のない充。

充は依頼人の前で、大きなトランクから厨房をセットし、身支度を整える。

鮮やかな手さばきで思い出のオムライスを再現する。

その手さばきは、美しい。

報酬は、100万円。

それは、完璧を目指すがゆえに自身の店をつぶしてしまい借金を返済するためだ。

唯一の友人、柳沢は電話の向こうで叫ぶ。

「葬式くらい顔を出せ!」

充は、人を信用出来ずかたくなに育ってしまっていた。

充に次の依頼がきた。

報酬は、300万円。

中国の料理界の重鎮からの奇妙な依頼。

1930年代の満州で日本人の元天皇の料理番が作り上げたレシピを探し出して、再現するという依頼だ。

充が、依頼人に会いに行くと成功報酬は、さらに5,000万円支払うという。

怪しいと思いながらも、奇妙な依頼の話の内容に引き込まれていく充だった。

依頼人、楊晴明の思い出話から始まる「大日本帝国食菜全席」をめぐる日本と満州と人との絆の物語。

充は、山形直太朗ゆかりの人々を訪ねて、日本から満州へと旅をする。

充が、訪れる先々で語られる内容が、物語として映像化されていく。

充と一緒に1930年代の満州での、直太朗の生活やレシピ作りの様子が映し出される。

満州での直太朗は、レシピを作るだけが仕事という、特別待遇。

軍の料理を提供する厨房の奥の部屋で生活をする。

世界を驚かせるほどの「大日本帝国」の素晴らしい料理を作る、出来上りを天皇を呼び披露する。

そのためだけに何年も費やすという仕事だった。

直太朗の料理を作る前の身支度を整える所作が、充とかぶる。

料理に対する考え方、料理する様子、姿かたち、映像を観ていても充と直太朗は他人と思えないくらい似ている。

さらに直太朗の妻、千鶴を演じた宮﨑あおいさんが素晴らしい。

キレイで優しく、周りに惜しみなく「愛」を注ぐ。

宮﨑あおいさんの笑顔は、最強です。

直太朗が、千鶴に大いに助けられていたことに心底気付いた時には、深い悲しみが訪れる。

直太朗が千鶴のために作った「トンカツ」がとても美味しそうだった。

「トンカツ」は直太朗の娘の幸の大好物になり、二人の生活が続いていく。

直太朗と共にレシピの完成を目指していた、助手の鎌田、現地人の楊とも親交を深めていった。

充は直太朗と親交のあった人々から話を聞くうちに、レシピに込められたもう一つの真実を聞く。

衝撃の結末が待っている真実だ。

最後の西島、二宮の料理対決っぽいシーンはとても美しい。

料理も素敵だし、映像も美しい。

二人の着る白いユニフォームがかっこいい。

画面を通して二人が、微笑みあうさまは素晴らしい。

この演技を二人は、お互いにひとりだけで演じたというのを、テレビの番組で聞いた。

二宮さんが先に撮影。

あとで監督からプレッシャーを掛けられて西島さんが、撮影したそうです。

西島さんは、撮影前に「二宮くんがいい表情したんだ」と監督から絶賛。

かなりやりづらかったと言っていました。

何もない状態で、西島さんに微笑みかける二宮さん、それに答える西島さん。

ふたりともスゴイですね!

あの表情を、画面ではちゃんと向かい合っている。

リンクして、そこに二人がいるようにみえる。

エンドロールも最高です。

お腹が空いた状態では観ないほうが良いと思います!

じんわりと、暖かい作品です。

ただ、戦争は、悲しみを生むだけ。

当時の(映画の中の)日本帝国はサイテーですね。


ここから映画の内容でのネタバレです。


ラストレシピ【ネタバレ】

フライパン
レシピの完成と共に、披露する宴会が決定します。

三宅大佐に呼ばれた直太朗は「毒をもれ」と指示される。

「天皇には、毒見係がいるので危険はない」

毒をもったという事実が必要なのだと。

「毒をもった犯人役として、現地人の楊をあらかじめ用意していた」のだと。

満州国の独立を阻止する企てを捏造させるために「レシピ」が利用されると知った直太朗。

助手の鎌田は、助手ではなく直太朗の見張り役として任務についていたのだった。

楊と鎌田と千鶴。

この3人で作り上げたレシピが「政府」の陰謀に利用される。

楊が犯人に仕立て上げらようとしている。

直太朗は、大佐から話を聞いた後。

楊に「お前はスパイだったのか!」とわざと激高し、殴り飛ばして解雇する。

犯人は誰でもいいのだ。

祝宴の日。

盛大に行われた宴会の場で披露された素晴らしい食事の途中。

直太朗は、会場に飾られた完成したレシピ集「大日本帝国食菜全席」に自ら火をつける。

大日本帝国に捉えられた直太朗は、射殺。

直太朗は、千鶴が残したレシピの書き損じを利用したもう一つの「レシピ集」を作っていた。

現地で親交のあったロシア人のホテル支配人に預けていたのだ。

千鶴が撮りためた写真が添えられた、もう一つのレシピ。

最後のページは、娘の幸の好物だった「トンカツ」

日中戦争の後。

楊は、直太朗の手紙が添えられた「レシピ」とともに命を助けられた真実を知る。

楊が、直太朗の娘を探し出しレシピを手渡した頃には、幸は結婚した料理人の夫を亡くし、幼い男の子の母になっていた。

直太朗亡き後、幸を家族のように育てたのは、直太朗とともに当時隣の厨房で料理をしていた日本人鈴木だった。

幸は、直太朗のレシピを再現する店を開店させようと奮起するが、開店の日。

隣からの出火で全焼。

レシピを取りに行った幸は焼死。

その様子を見ている幼い男の子の瞳が、充とリンクする。

幸と共に大きくなった、鈴木の息子に引き取られた幼い男の子は、「すずらん園」で育った充だった。

すずらん園の園長が、鈴木の息子だった。

充が反発していた園長は、充の生い立ちをすべて知っていた。

園長が生前、充に会いたがっていたのは、祖父のレシピを渡したかったため。

充が料理人になることをひどく反対したのは、過去の悲劇を知っていたからだった。

充が、探していたレシピは、すずらん園にある。

この計画を言い出したのは、園長の葬式で充の生い立ちを聞いた柳沢の提案。

レシピを普通に渡しても、充のこころに響かないと柳沢が思ったからだ。

レシピ集を受け取った充が、開いた最後のページには、

充の大好物の「カツサンド」のレシピが、母幸によって書き加えられていたのだ。

こうして、家族に受け継がれていく素敵な「ラストレシピ」充の舌に残る記憶の味なんですね。

いい映画です。

結末を知ってから、色々なシーンをもう一度見返して観たくなる映画です。